糖質制限

糖質制限ダイエットの正しいやり方と食材を選ぶ際の注意点。

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糖質制限ダイエットの正しいやり方

糖質制限ダイエットはなぜ痩せるのか

 痩せるためには厳しいカロリー制限をする必要があり、空腹と闘わねばならないイメージがあります。しかし、それを覆す方法として注目を集めているのが糖質制限です。
 当然糖質制限ダイエットで痩せるためには、正しい知識を身に付けて実践することが大切になります。

 ここでは、糖質制限ダイエットで痩せる原理や正しいやり方、食材を選ぶ際の注意点などを紹介しています。


 当記事を読まれた方の参考になれれば幸いです。

 それでは、見ていきましょう。

1.ダイエットについて

 最初に、糖質制限のお話の前にダイエットについてご説明致します。

 食べ物や飲み物を体内に取り入れることにより摂るカロリーを摂取カロリーと言います。反対に、1日の生活の中で使用するカロリーを消費カロリーと言います。
 ダイエットにおいては、体内でのエネルギー収支の関係を下記のような状態にする必要があります。

 【摂取カロリー < 消費カロリー】

 こうすることでカロリーの収支がマイナスになり、その分だけ体脂肪が燃焼されて体脂肪が減っていくという仕組みです。
 つまり、ダイエットの大前提としてカロリーバランスを【摂取カロリー < 消費カロリー】にする必要があります。
 その上で、糖質制限のようなメソッドに沿ったカロリーの元となる三大栄養素のPFCバランス(タンパク質、脂質、糖質のバランス)も踏まえて食事管理をすると、筋肉量を減少させずに体脂肪のみを減少させるようなダイエットが可能になります。

1-1.三大栄養素について

 簡単に三大栄養素について説明します。


 まず、糖質は1gあたり4Kcalです。糖質は、最もエネルギー効率の良い栄養素なのです。
 運動時におけるパフォーマンス向上や筋分解を抑制する働きもあります。反面、糖質は手軽に摂れる栄養素であり、現代の食環境を鑑みても過剰摂取傾向になりやすく、肥満の原因にもなりやすい栄養素でもあります。
 ただ、糖質はエネルギーであり、力の源です。運動時など動く分だけ糖質を摂れればとても良い栄養素に変わりはありません。しかし、現代は昔に比べ身体活動量が少ないために前述のような過剰傾向になりやすいようです。

 次に、脂質は1gあたり9Kcalになります。加えて、細胞膜やホルモンの材料になる大切な栄養素です。
 体脂肪燃焼を促すダイエットに有用な成長ホルモンやテストステロンも脂質が材料となります。したがって、脂質は極端に制限せずに摂取する必要性があります。ただ、摂取する際の脂質の”質には注意しましょう。

 最後に、たんぱく質ですが1gあたり4Kcalになります。筋肉や骨など身体の材料となり、人体で最も重要な栄養素になります。
 また、たんぱく質は糖質や脂質に比べ、体内で消化する際に使うカロリー(DIT※)が摂取カロリーの内約30%と高い傾向にあるため、太りにくい栄養素でもあります。
 ※DIT(=食事誘導性熱生産)

2.糖質制限とは

 糖質制限とは、摂取する糖質量を制限する食事法のことです。
糖質制限はもともと糖尿病を治療するための食事療法として利用されてきました。
現代では、ダイエット法として、またアスリートの肉体改造にも用いられています。

 糖質は、ごはんやパン、麺類などの主食、お菓子や清涼飲料水などに多く含まれている成分です。
 糖質制限では、糖質をできるだけ食べないように制限します。その代わり、肉や魚などに多く含まれるたんぱく質、アーモンドやアボカドなどに多く含まれる脂質を摂取することが求められます。

2-1.糖質制限はなぜ痩せるのか

 なぜ、糖質制限がダイエットに有用なのでしょうか。
 先ほどの栄養素の話でもありましたが、糖質は最もエネルギーになりやすい栄養素です。1日のうち3食で主食の糖質を摂取する…。そうすると、日常生活において常に糖質をエネルギーとして活動することになります。その結果、エネルギーとして使いたい”蓄えられている脂肪”を使う前に摂取したエネルギー(糖質)が使われてしまい、一向に脂肪が使われやすい環境になりません。

2-2.糖質制限することで備蓄脂肪にフォーカス

 体内で脂肪をエネルギーとして使う環境をつくりたい。
 
 どうすれば良いのか。

 摂取する糖質を制限します。

 そうすることで、体内で使われるエネルギーを”蓄えられている脂肪”にフォーカスすることができます。すると、普段の日常動作から体脂肪をエネルギーとして使うことが可能になります。これは、より効率的にダイエットを行うことができる状態です。もちろん、併せて運動を実施することは、よりポジティブな結果をもたらします。

3.カロリー制限との違い

 ここまで、読まれた方は疑問に思われているかもしれません。
 糖質制限とカロリー制限の違いって何?

 結論を言うと糖質制限はカロリー制限を兼ねています
 冒頭でダイエットにおいては、【摂取カロリー < 消費カロリー】の状態を作ることが大切だと説明しました。そして、たんぱく質は身体にとって最も重要な栄養素です。したがって、たんぱく質の摂取量は減らさないようにします。
 では、残った2つの栄養素である脂質と糖質のどちらかの栄養素をダイエット時には控えることになります。
 その際に、1gあたり9Kcalとカロリーの高い脂質の摂取量を制限する…。その方が効率的だと考えたのが脂質制限です。一般的にはカロリー制限=脂質制限と認識されることが多いです。
 糖質は1日あたりの総摂取カロリーの半分を占める栄養素です。その糖質を制限することでカロリー制限をするのが糖質制限となります。
 糖質を制限することで、他の栄養素で補う必要があります。

4.糖質制限のメリット・デメリット

 糖質制限を実施する上でのメリット・デメリットがあります。それぞれ頭に入れておきましょう。

4-1.メリット

 糖質制限は主食を抜くだけという手軽さがメリットです。 
 一般的なダイエット法であるカロリー制限(=脂質制限)は主食を食べることができます。ただし、おかずの脂質(肉の脂や調理油など)に気を付けないといけないため実施が難しい部分があります。
 また、糖質制限をして体内の糖質を枯渇させることで体脂肪が燃焼されやすい状態になる…。というメリットがあります。短期間であれば、糖質制限は健康面にポジティブな影響を与えるでしょう。

4-2.デメリット

 まず、付き合いでついつい糖質を食べてしまう機会があるということです。
 これはトレーニング後などタイミングによっては、糖質制限中でも糖質を食べても大丈夫…。という判断をされる方もおられるかと思います。その場合はしっかりとした知識を身に付ける必要があります。また、長期的な糖質制限は筋肉量の低下を促し、それに伴い代謝も低下することが考えられます。さらに、耐糖能(糖質に対する耐性)の低下、体脂肪減少の停滞や糖質摂取時のリバウンドのリスクが上がる可能性もあります。
 これらは、それぞれ対処方法もあります。無難な考えとして完全糖質制限は1~2ヶ月と短期間で行い、その後は易しい糖質制限を実施すると良いでしょう。
 もちろん、易しい糖質制限でなくても、糖質が過剰摂取にならないような糖質管理も検討すべきかと思います。

5.正しい糖質制限について

 糖質制限ダイエットは誰もが手軽に始められる方法です。しかし、よくある間違いの例とその改善策を説明致します。

5-1.間違えている糖質制限の実施例

①そもそも糖質を制限できていないパターン

 主食をカットしていても、その他の食材でついつい多くの糖質を摂取している場合があります。食べてOKな食材とNGな食事について具体的に説明しますが、主食以外にも意外と糖質が多い食材がありますので、召し上がる食材については注意していきましょう。
 また、全糖質制限食では1日の糖質摂取量は30~50g以内を目安にします。
もしくは、1日1食だけ主食を食べることや3食とも主食無しでおかずなどの糖質を気にしないで食べるなど、比較的易しい糖質制限では100g以内/日を目安にしましょう。

②糖質と脂質の両方を制限しているパターン

 糖質を制限している上に脂質まで制限して間違ってしまっているパターンが意外に多くあります。
 一見、脂質を制限するとストイックで早く体脂肪が燃焼されると思われがちです。しかし、前述のとおり体内での脂質の役割は大変重要なことから、脂質を制限することは健康面でのリスクやリバウンドリスクの高いダイエット方法となってしまいますので注意が必要です。後述しますが、脂質も適切な量を摂取することを心がけましょう。

5-2.正しい糖質制限とは

 正しい糖質制限においては、タンパク質:脂質:糖質=3:6:1のバランスで食事を摂ります。わざわざ積極的に脂質を摂る必要はありません。おかずによる脂質は気にせずに摂取するというスタンスでいることが糖質制限成功の秘訣です。
 一般的に脂質が多いイメージの、肉類、玉子、ナッツ類、チーズ類、アボカド、オイル類(オリーブオイルなど)なども気にせずに摂取しても良いのです。ただ、多く摂取することが好ましくない種類の脂質もありますので注意しましょう。
 ※ポイント:糖質制限食でも明らかに多く食べ過ぎていれば体重や体脂肪が落ちないので、体重や体脂肪の減りを見ながら修正していくのがよろしいかと思います。

6.食べてOKな食材とNGな食材

 糖質制限下でのお食事でのポイントは次の2点です。

 ①糖質の多い食材を避けること。
 ②たんぱく質と脂質はしっかり摂ること。
 ③野菜や海藻、きのこ類などバランスよく召し上がること。

 また、主食を抜くのでそれに含まれていた分の食物繊維や水分が不足し便秘になりがちです。③のように葉物野菜から食物繊維を摂取し、普段から水を多めに摂取(女性1.5L以上、男性2L以上が目安)していきましょう。

OKな食材:肉類、魚類、大豆製品、玉子、ナッツ類、乳製品(チーズやバター)、アボカド、オイル類(オリーブオイルなど)、葉物野菜(ほうれん草、レタス、白菜など)、ブロッコリー、アスパラガス、こんにゃく、海藻類、きのこ

NGな食材:お米、小麦粉製品(パン、うどん、パスタなど)、穀物類(トウモロコシなど)、イモ類(じゃがいも、サツマイモ、里芋、春雨など)、果物類全般、根菜類(れんこん、ごぼうなど)、一部の野菜(トマト、人参など)、砂糖を含む食材(清涼飲料水、砂糖、お菓子類など)になります。

間食におすすめな食材:MCTオイル入りコーヒー(摂りすぎに注意)、アーモンド、クルミなど

 これらの食材をうまく使いながら、糖質制限ダイエットをよいものにしていきましょう。

7.最後に

 ここまでいかがでしたでしょうか。

 糖質制限ダイエットに関しては、仕組みの肝となる部分は確実に理解しておきましょう。さらにメリットやデメリットを踏まえながら、一度挑戦してみることが大切です。トライ&エラーを繰り返し、合ったものなのかどうか判断するようにしましょう。
 
 また、肝臓や腎臓、膵臓に疾患などを抱えている方は、糖質制限を行う前に必ずかかりつけのお医者様にご相談ください。
 
 正しい糖質制限は糖質の制限こそありますが、食べることのできる食材も多くあります。
 糖質制限のデメリットを踏まえると完全糖質制限は1~2ヶ月と短期間で行うその後は緩い糖質制限を実施していくこともひとつの選択肢になります。是非、ストイックにやり過ぎずにしっかりと結果の出る、正しい糖質制限を実施してダイエットを成功させていきましょう。






”フィットネスを習慣にし、日常をより豊かなものに”

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